フリーランス新法が令和6年11月1日施行されます。
このブログはフリーランスと事業者がお互いにもっと働きやすくなるように、フリーランス新法に何が定めてあるのかを読み解くシリーズです。
第十条は、公正取引委員会が命令する場合に、すでに規定を設けてある独禁法を準用しますよ、という内容が定められました。
フリーランスや事業者に直接関係があるとは言いにくいですが、公正取引委員会が命令を下す時には守るべきルールがある、ということを知っておくことで万が一の際に自分を守ることにもつながります。
新しいルールを理解して、お互いが気持ちよく働けるような環境を整えましょう。
この記事でわかること
・公正取引委員会が命令を下すときに守るべきルールがあるということ
執筆者:佐藤きなこ
行政書士試験に合格後、現在事務所開設に向けて邁進中です。公正取引委員会、厚生労働省、中小企業庁のフリーランス新法関連ページを読破しました。フリーランスと企業がそれぞれ気持ちよく働くためのヒント情報をどこよりもわかりやすく解説することに挑戦中です。
フリーランス新法第十条(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の準用)を全体的に捉えよう
第十条は私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独禁法に定められた「公正取引委員会が命令を下す際のルール」を、フリーランス新法でも準用します、ということが定められています。
ざっくりまとめると
・命令は文書があなたに到達した時に効力を発揮します。
・この内容は複数の公正取引委員会メンバーで取り決めたもので、その会議の内容は公表することができません。
・今後何らかの理由で「この命令、続けるべきじゃないなぁ」という状況になれば取消、変更することはできます。
・こちらから送る書類に関して、またこの命令に関して納得がいかないときに裁判することになった場合の取り決めについても独禁法から準用します
といったところでしょうか。
行政が下す判断の中でも「命令」はとても強い効力を発生させるためのものです。
そのため命令を下す側「公正取引委員会」も守らなければならないルールが細かく定められています。
フリーランス新法の正式名称について
この法律の正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」です。
また内閣官房や中小企業庁などの資料やサイトでは「(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」が続きます。こちらの方が法律の内容が想像しやすいですね。
いずれにしろとても長いタイトルだからか、フリーランス法またはフリーランス新法という通称が根付きつつあります。
※ここから↓の条文は全てe-Gov法令検索「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」から引用しました。
【条文】フリーランス新法-第十条
前条第一項の規定による命令をする場合については、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第六十一条、第六十五条第一項及び第二項、第六十六条、第七十条の三第三項及び第四項、第七十条の六から第七十条の九まで、第七十条の十二、第七十六条、第七十七条、第八十五条(第一号に係る部分に限る。)、第八十六条、第八十七条並びに第八十八条の規定を準用する。
準用された条文の概要
条文へのリンクと、その条文の概要を簡単にまとめました。
私的独占の禁止及び公正取引 の確保に関する法律(独禁法) | 条文の概要 |
---|---|
六十一条 | 命令に関する文書の様式と、効力発生の条件 |
六十五条(1項、2項) | 命令には公正取引委員会の合議が必要 |
六十六条 | ↑↑の合議は公開しない |
七十条ー3(3項、4項) | 命令を続けるべきでない時は取消、変更することができる |
ー6 | 送達する書類について |
ー7 | 送達する書類について |
ー8 | 公示送達する場合の条件など |
ー9 | 書類の送達で行うはずの事務を電子情報処理組織でする場合 |
ー12 | 審査請求できないものについて |
七十六条 | 公正取引委員会の規則について |
七十七条 | 抗告訴訟する場合の被告について |
八十五条(一号) | 訴訟の管轄について |
八十六条 | 訴訟の審理、裁判について |
八十七条 | 決定に対する抗告が提起された場合の審理、裁判について |
八十八条 | 抗告訴訟の適用除外について |
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